Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 221.941 Zeichen · 435 Bildschirme
もうこれでいっさいがおわかりのことと存じますゆえ、なにとぞお慈悲を持ちまして、悪人にはござりまするがわたしには掛け替えのない心の思い人、大島弥三郎めをご寛大のご処分くださりませ。右あらあら書きしたためたしだいにござります――」
右門は一気に読みくだすと同時に、じっと腕をくんでややしばし思案にふけっていましたが、恋に狂って罪を犯したいたましい女の命が、もうそのとき完全に絶たれてしまっているのを見ると、決然として立ち上がりながら、蝋色鞘をがっきと腰にして、ののしるごとくに言い放ちました。
「せっかくだが、大島弥三郎とかいった旗本奴は、もう見のがしちゃおかれねえや。このかわいそうな腰元の命を取ったのも、けっきょく野郎のしわざのようなもんじゃねえか。さ! 伝六ッ、駕籠だッ、駕籠だッ。今度はほんとうの駕籠だッ!」
「ちぇッ、ありがてえや! もうのがしっこねえぞ!」
伝六が丸くなって表へ飛び出していきましたので、右門はそのまになおこの場にいたっても優しい心がらから、押し入れの絹夜具を取り出すと、ふうわり死骸の上に掛けておいて駕籠の用意のできるのを待ち受けていましたが、まもなく伝六の呼びたてる声がありましたものでしたから、時を移さず駕籠にうち乗りました。