Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
「大急ぎだ。だれでもいい! すぐにだれかお使いを呼んできておくれッ」
「ど、ど、どうしたんでございます! 奥さまが何かおけがでもしたんでございますか」
「そんなこっちゃない! もっとたいへんなことなんだ。早くだれか呼んでくりゃいいんだよ!」
いぶかりながらまごまごしているばあやの目の前へ、帯もしめずにすそ前を押えたままでおろおろしながら出てきたお冬の顔をみると、どうしたというのか、まるで血の色もないのです。
「何がいったいどうあそばしたのでございます」
「おまえの知ったこっちゃない! 呼んでくりゃいいんだ! 早くお行き!」
「はいはい、参ります! 参ります! 近所といっても、ここでは法泉寺一軒きりでございますからね。寺男でも頼んでまいりましょう。それでようございましょうね」
「けっこうだとも! 早くしておくれ!」
ばあやをせきたてて、幸吉はその場に筆をとりながら、何かこまごまと書きしたためました。よくよくぶきみなできごとででもあるとみえて、新嫁のお冬はひと間に隠れたきり、顔もみせないのです。
やがてまもなく、ばあやに伴われてきたのは、朴訥らしい寺男でした。見るなり、幸吉のことばは火のつくようでした。