Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
3
しかし、その翌朝が早いのです。
東が白んだか白まないかにむっくり起き上がると、不思議なことにも手ぬぐい片手にこちらから伝六の組小屋を訪れて、声もかけずにどんどんと破れんばかりにたたき起こしました。
「騒々しいな。どこのどいつだよ!」
「…………」
「人に頼まれて寝てるんじゃねえんだ。いくらたたいたって、気に入るまで寝なきゃ起きねえよ。こんな朝っぱらから、いったい何の用があるんだ」
ぶりぶりしながら戸をあけて、ひょいとのぞいたその鼻先へぬうと手ぬぐいをさしつけると、ひとこともむだ口をきかないのです。ついてこいというように、黙ってさっさと歩きだしました。
「話せるね。朝湯に行くとは、だんなもだんだんといきごとを覚えてきましたよ。行く段じゃねえ、朝湯ときちゃ、いちんちへえりつづけても飽きがこねえんだからね。すぐにめえりますよ」
上きげんであとから追いかけてきたかと思ったのもつかのま、たちまちその伝六がまた荒れもように変わりました。お組屋敷を出はずれた一軒と、八丁堀の河岸ぎわに一軒と二カ所あるそのお湯屋のうちの、遠い河岸ぎわのほうへどんどんと歩いていったからです。