Japanische Klassiker mit Furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lesen Sie 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.105 Zeichen · 337 Bildschirme
身分身もとはわかったのです。残るは扇子と懐紙入れふた品の穿鑿でした。もとより、この持ち主が女たるに疑いはない。しかし、このふた品の持ち主が、ただちに下手人であるかどうかは、即断のできないことでした。所有主そのものが下手人だったら、いうまでもなく、死体を沈めるとき、あやまって懐中から落としたものに相違ないが、他に意外な犯行者があって、罪をこのふた品の所有主に負わせるために、わざわざ死体もろとも、濠へ投げ入れたものとも考えられるのです。
もし、下手人そのものが知らずに落としたとするなら、外から来たか、内から来たか、この死体を沈めに来た女の身分素姓、居どころに眼をつけるが事の急でした。
問題はその一点、なぞもまたその一点。
「それなるふた品、拝見させていただきましょう」
蔵人の手からうけとって見ながめたかと思われるや、まことに快刀乱麻を断つがごとし、即座にずばりといったものです。
「ご城内奥女中のご用品でござりまするな」
「な、なぜおわかりじゃ! なぜこれが奥女中の品とおわかりじゃ」
「この紅いろ扇子がその証拠。骨に透かしがござります。紅いろ透かし骨の扇子といえば、日本橋石町たらちね屋が自慢の品物、たしか大奥にも出入り御用を仰せつかっているように聞いておりましたゆえ、奥女中の持ちものとにらんだだけのことでござります