Japanische Klassiker mit Furigana
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どうほう
同胞
豊島 与志雄
Lesen Sie 同胞 (どうほう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.713 Zeichen · 32 Bildschirme
でも何でもないことなんだ。僕達は兄弟なんだから、兄弟として親しくしたって、ちっとも悪かないんだね。」
「悪いもんか。……君は変だな、どうしてそういろんなことを考えるの。悪い癖だよ。」
茂夫の額は一寸曇りかかったが、すぐに前よりは一層晴々と、而も何だか狡猾そうに、輝いてきた。
「僕にはまだいろんな悪い癖があるそうだよ。」
「どんな癖が……。」
「どんなって、自分じゃ分らないが、お父さんがそう云うんだもの。」
「じゃあ、お父さんは君を愛していないんだね。」
「いや、愛してくれてるよ。」
「だって可笑しいなあ。」
「ちっとも可笑しかないよ。」
そして二人はきょとんとした顔を見合った。
そんなことを話して歩いてるうちに、何処へ行っていいか分らなくなったが、ふと思いついて、植物園へ行ってみた。
桜の花が咲き揃っていて、子供や女の人達がきゃっきゃ云って遊んでいた。二人はその側を通りすぎて、ずっと奥の池の上の、躑躅の間の芝生に坐った。南を受けた斜面なので、足を投げ出してじっとしてると、うとうとと眠くなるような暖かさだった。そしてそこらの藪の中には、蛇や蝦蟇や蛞蝓などがのっそりと匐い出していそうな、もやもやとした温気だった。