Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
長い間、息づまる睨み合いが続いた。
「ホホホホホホホ」
突然、文代は気でも違った様に、笑い出したので、今度は、男の方はギョッとして相手の顔を見つめた。
文代は、本当に気違いになってしまったのか、そんな際にも拘らず、呑気ないたずらを始めたのだ。
彼女は、建物全体の電燈を点滅する、大元のスイッチの把手を掴むと、滅茶滅茶に、切ったりつないだり、おもちゃにした。パチパチと、青白い火花が散った。
男はそれを見ると「アッ」と叫んで、いきなり飛びかかって行って、文代を抱きすくめてしまった。
「貴様、なにをするのだ」
男は文代を羽交締めにして、肩越しに彼女の顔を覗きこみながら、熱い息でいった。
「なんでもないのよ。ただ、ちょっと……」
文代は抱きすくめられたまま平気で答える。
「貴様、笑っているな。どうして笑えるのだ。誰かが救いに来るとでもいうのか」
「エエ、多分……」
「畜生、誰かと約束がしてあったのか、手筈が出来ていたのか」
文代は落ちつき払っているので、男の方で、気味が悪くなって来たのだ。
「お前さん電信記号を知らないのね」
文代はまだ笑っている。
「電信記号だと。それがどうしたのだ」