Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
そして、再び雲を破って下界に姿を現わしたのは、隅田川の下流、清洲橋の空であった。
その頃から吹き始めた、北風に送られて、いつの間にか遠く国技館の空を離れていたのだ。
風船は、まるで綱で引かれてでもいるように、グングン地面に近づいて来る。
またたく内に、浜町公園を中心として、附近一帯に人の山だ。ツェッペリンが飛来した時と、そっくりの騒ぎだ。
吹きつける北風、「ワーッ、ワーッ」と上る群衆の声、走る雲、その中を、風船は横なぐりに吹き飛ばされて、その巨体が、地上二十メートルの間近に迫った時には、既に永代橋を南に越えて、品川湾へと流れていた。
「あの調子だと、水に落ちるまでに、お台場あたりまで、飛んで行きますぜ」
屋根の上に鈴なりの人々が、話し合った。
待ち構えていた警官隊は、水上署のランチに同乗して、隅田川を風と共に走った。
空を飛ぶ怪風船、水を往くランチ。世にも不思議な追駆けが始まった。
風船は月島を横切って、お台場の方角へ、ランチは、相生橋をくぐって品川湾へ。
風は益々早く、風船は巨大な鉄砲玉だ。ランチが如何に快速力であっても、空飛ぶ気球は一直線、水路は曲りくねっているので、見る見る距離が遠ざかって行く。