Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
「その外、今度の事件には、解き難い謎が、色々残されています」
明智は相手の質問には答えず、喋り続けた。
「たとえば、畑柳家の密閉された書斎で殺された小川正一と名乗る男の謎があります。犯人はどこから出入りしたか。何の為に殺したのか、また被害者の死体が、どうして消え失せてしまったのか。それから、あんなに苦心して誘拐した倭文子さんを、あの殺人鬼が、傷一つつけないで、なぜやすやすと我々の手に戻したか。あの時、連れて逃げようと思えば、訳はなかったのです。イヤ、もっと変なことがある。僕は鹽原の温泉宿へ電話をかけて、女中から聞き出したのですが、温泉場で倭文子さんを驚かせた怪物は、本当に唇がなかった。ご飯のお給仕をした女中が、確かに見たというのだから、間違いはありません。ところが、今度風船に乗って逃げた奴は、仮面をつけていたとすると、この二人は、全く別人なのでしょうか。数え上げると、説明の出来ない点が、まだ沢山あります。それでも、事件が落着したといえましょうか」
「すると、君は、岡田道彦が、どこかに生き残っていて、それが本当の犯人だとおっしゃるのですね」
「恐らく……、イヤ、想像は禁物です。