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Japanische Klassiker mit Furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme

Aozora Bunko

「たとえばですね」

明智は相手の顔色を見て取って水を向けた。

「例の代々木のアトリエにあった三人の女の死体ですね。あれの身元は分りましたか」

「アア、それなれば、僕の方でも手を尽して調べているのですが、不思議なことに今以てあれに相当する様な、家出娘を発見しないのです」

「あの三人の娘は、みなひどく腐らんして、顔も何も分らなくなっていましたね」

明智はふとそんなことをいって相手の顔をジロジロ眺めた。恒川氏は、

「そうでした」

と答えたものの、明智の意味を悟りかねて困惑の体だ。

「ところで、恒川さん。幸いあなたが御出でになったから、一つ見て頂き度いものがあるのですよ」

明智の話しはまたもや飛躍した。

「なんです、拝見しましょう」

警部は、それがあんな奇妙な代物とは、思いもよらず、気軽に答えた。

明智は席を立って、次の間のドアを開いた。彼の居間兼書斎である。

「あれです」

恒川氏も立って、ドアの所まで来たが、一目書斎をのぞき込むと、流石の鬼刑事も、度胆を抜かれて「アッ」と立ちすくんでしまった。

そこには、探しに探していた、畑柳倭文子と茂少年が、こちらをむいてたたずんでいた。