Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
アア、若しかしたら、あれがそうかも知れません」
書生が入って来て、明智に電話だと告げた。明智は室内の卓上電話に接続させて、受話器を取った。
「あたし、文代です。あの人、やっぱりあすこへ入って行きました。大急ぎで来て下さいまし」
「有難う。だが、大急ぎというのは?」
「でも、あの人、何だか、私達のつけて来たのを、感づいたらしい様子ですの」
「よろしい。それではすぐに、恒川さんと行きます。小林君をそこへ残して、あなたは、例のことを運んで下さい。じゃあ」
明智は卓上電話を離れると、恒川氏に向って、
「お聞きの通りです。やっぱり目黒の工場街へ帰った相です。すぐお伴しましょう」
「では、僕は応援の巡査を、そこへ集める手配をしておきましょう」
勇み立った警部は、明智からその工場の所在を聞いて、警視庁と、所管警察署とに電話をかけた。
約三十分の後、二人は自動車を、目的の工場の少し手前で降りると、徒歩で、その門前へ近づいて行った。
暗闇の中から、待ち兼ねていた小林少年が飛び出して来た。
「あいつは、確にこの工場の中にいるんだね」
明智が小声で尋ねる。
「大丈夫、外へ出た形跡はありません」