Japanische Klassiker mit Furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 吸血鬼 (きゅうけつき) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 190.554 Zeichen · 381 Bildschirme
「誰からだろう。ちっとも見覚のない筆跡だが」
明智は独言をいいながら、封を切って読み下した。読むに従って、彼の顔に一種異様の微笑が浮んで来た。
「三谷さん。賊は、あなたがここへいらしったことを、もうちゃんと知っていますよ」
明智がそういって、差出した手紙には、左の様な恐ろしい文句が認めてあった。
明智君、とうとう君が出馬することになったね。俺の方でも働き甲斐があるというものだよ。だが、用心し給え。俺はね、君が今まで手がけた悪人共とは、少々違っているのだ。その証拠には、君がたった今この事件を引受けたのを、俺の方では、もうちゃんと知っているのだからね。
「すると、あいつは、私達の話を、ドアの外で立聞きしていたのでしょうか」
三谷が青ざめていった。
「立聞きなんて出来ませんよ、僕はドアの外へ聞える様な声では、決して話をしませんし、あなたも、非常に低い声でした。賊は多分、あなたを尾行して、ここへはいられたのを見届け、僕がこの事件をお引受することを、見抜いてしまったのです」
「では、奴はまだこの辺にウロウロしているかも知れませんね。そして、また私達のあとをつけて来るのではありますまいか」