Japanische Klassiker mit Furigana
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『わがはいはねこである』じょうへん
吾輩は猫である
Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme
あの金田某なる者さ。あの某なるものの息女などを天下の秀才水島寒月の令夫人と崇め奉るのは、少々提灯と釣鐘と云う次第で、我々朋友たる者が冷々黙過する訳に行かん事だと思うんだが、たとい実業家の君でもこれには異存はあるまい」
「相変らず元気がいいね。結構だ。君は十年前と容子が少しも変っていないからえらい」と鈴木君は柳に受けて、胡麻化そうとする。
「えらいと褒めるなら、もう少し博学なところを御目にかけるがね。昔しの希臘人は非常に体育を重んじたものであらゆる競技に貴重なる懸賞を出して百方奨励の策を講じたものだ。しかるに不思議な事には学者の智識に対してのみは何等の褒美も与えたと云う記録がなかったので、今日まで実は大に怪しんでいたところさ」
「なるほど少し妙だね」と鈴木君はどこまでも調子を合せる。
「しかるについ両三日前に至って、美学研究の際ふとその理由を発見したので多年の疑団は一度に氷解。漆桶を抜くがごとく痛快なる悟りを得て歓天喜地の至境に達したのさ」
あまり迷亭の言葉が仰山なので、さすが御上手者の鈴木君も、こりゃ手に合わないと云う顔付をする。主人はまた始まったなと云わぬばかりに、象牙の箸で菓子皿の縁をかんかん叩いて俯つ向いている。