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Japanische Klassiker mit Furigana

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『わがはいはねこである』じょうへん

吾輩は猫である

夏目 漱石

Lesen Sie 吾輩は猫である (『わがはいはねこである』じょうへん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 322.123 Zeichen · 643 Bildschirme

Aozora Bunko

昔はそれと違って侍は皆命懸けの商買だから、いざと云う時に狼狽せぬように心の修業を致したもので、御承知でもあらっしゃろうがなかなか玉を磨ったり針金を綯ったりするような容易いものではなかったのでがすよ」

「なるほど」とやはりかしこまっている。

「伯父さん心の修業と云うものは玉を磨る代りに懐手をして坐り込んでるんでしょう」

「それだから困る。決してそんな造作のないものではない。孟子は求放心と云われたくらいだ。邵康節は心要放と説いた事もある。また仏家では中峯和尚と云うのが具不退転と云う事を教えている。なかなか容易には分らん」

「とうてい分りっこありませんね。全体どうすればいいんです」

「御前は沢菴禅師の不動智神妙録というものを読んだ事があるかい」

「いいえ、聞いた事もありません」

「心をどこに置こうぞ。敵の身の働に心を置けば、敵の身の働に心を取らるるなり。敵の太刀に心を置けば、敵の太刀に心を取らるるなり。敵を切らんと思うところに心を置けば、敵を切らんと思うところに心を取らるるなり。わが太刀に心を置けば、我太刀に心を取らるるなり。われ切られじと思うところに心を置けば、切られじと思うところに心を取らるるなり。