Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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わせいつばきひめ

和製椿姫

大倉 燁子

Lesen Sie 和製椿姫 (わせいつばきひめ) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.221 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

こうなれば一寸法師であろうと、なんであろうと、男でありさえすりゃいい。

彼女は追い縋って、うしろから声をかけました。

『ちょいと、雪の降るのにどこへ行くのよ、家へ来ない? 温い紅茶を上げる、ウイスキーもあるわよ、遊んでいらっしゃい、ねえ?』と云って、肩へ手をかけ、顔を覗き込んで、思わずあっと後退りました。

それはなんと十ばかりの少年でした。

寒さと飢えとで震えているその少年を彼女は自分のアパートに連れて帰りました。そこまではよかったのですが、さて、彼に与えるものは何もなかったのです。紅茶もウイスキーも口から出まかせの言葉だったので、ガス口に十銭銀貨をいれてお湯をわかして飲むだけだったのです。

二人は熱いお湯を呑み合いました。そして寒いので蒲団にもぐって抱き合っていました。その時ふと思いついて、

『私、苦しくってたまらないのよ。あんた私のお乳のんでくれない?』といって、胸をはだけました。三日も飲まず食わずでさまよっていた彼は夢中で乳房を吸いました。彼女は楽々として眠りにつき、少年も久しぶりで満腹したのでいい気持ちになって、ぐっすり眠りました。

彼はその夜から彼女のところに厄介になりました。