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Japanische Klassiker mit Furigana

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あづまばし

問はずがたり・吾妻橋 他十六篇

永井 荷風

Lesen Sie 問はずがたり・吾妻橋 他十六篇 (あづまばし) von 永井 荷風 (ながいかふう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 75.586 Zeichen · 159 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「京都に心やすくしている家がありますから、そこでまた後の分は拵えてもらいます。」と常子が答えた。

臼木は大切な用事を忘れていたと云う風で、

「亡った人の形身分をしなければならない。ほんとは四十五日か七十五日にやるのだろうが、ついでだから今の中、帰りの荷物と一ツにして持って行って貰いたいね。帯でも襦袢でも欲しいものは選り取って持って行くがいい。」

「ええ。ありがとう。戦災から着物は全く宝物になりました。」

「その箪笥に入れてあるから、まア出して御覧。」

食事をした後の茶ぶ台もそのまま片づけずに、お近と常子とは箪笥の引出から一枚一枚衣類を取出した。

「婆さんの若い時分に着たものは、大地震の時箱崎町の家で焼いてしまったから、それはみんなその後に拵えたものだ。震災の時、常子、お前はたしか小学校へ行ったばかりだろう。婆さんの着物がそのまま役に立つようになったのかと思うと、月日の立つのは早いもんだな。」

「まったくですわ。わたしも好加減お婆さんになってしまいました。」

「常子さん。あなた。お子さん、お幾人です。」と産婆のお近がきいた。

「二人います。一人が十。次のが八ツになります。