Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜんぞうをおもう
善蔵を思う
Lesen Sie 善蔵を思う (ぜんぞうをおもう) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.041 Zeichen · 29 Bildschirme
その二つには、れいの新聞社の本社に、主幹として勤めている河内という人に、私が五年まえの病気の時、少し御心配をお掛けしているからである。河内さんとは、私が高等学校のときからの知り合いである。いつも陰で、私の評判わるい小説を支持してくれていたのである。六年まえの病気のとき私は、ほうぼうから滅茶苦茶に借銭して、その後すこしずつお返ししても、未だに全部は返却することの出来ない始末なのであるが、そのとき河内さんへも、半狂乱で借銭の手紙を書いたのである。河内さんから御返事が来て、それは結局、借銭拒否のお手紙であったが、けれども、拒否されても、私は河内さんを有難いと思った。私のような謂わば一介の貧書生に、河内さんのお家の事情を全部、率直に打ち明けて下され、このような状態であるから、とても君の希望に副うことのできないのが明白であるのに、尚ぐずぐずしているのも本意ないゆえ、この際きっぱりお断りいたします、とおっしゃる言葉の底に、男らしい尊いものが感ぜられ、私は苦しい中でも有難く思った。私は、それを忘れていない。新聞社の今度の招待は、きっと河内さんたちの計画に違いない。