Japanische Klassiker mit Furigana
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よじげんひょうりゅう
四次元漂流
海野 十三
Lesen Sie 四次元漂流 (よじげんひょうりゅう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.363 Zeichen · 128 Bildschirme
老浮浪者は、かるく一つうなずいた。――道夫は老浮浪者が返事をしていると知って、新しい希望に心を躍らせた。
「ありがとう。もう一つ――研究室から研究ノート第九冊が見えなくなったが、誰が持っていったんだか、君は知っていますか」
川北先生は重大な質問を発した。老浮浪者はどんな答をするかと、道夫は固唾をのんで、相手の髯面を見つめた。
すると老浮浪者は、大きな手袋をはめた両手を、自分の頭のところへあげ、長い髪の毛を示すらしい手つきをし、それから片手で女の身体らしい形を作ってみせた。
「なに、するとあの研究ノートは、あの若い女が持っていったというのですか」
先生は、さっと顔を硬ばらせて聞いた。そんな奇怪なことがあっていいだろうか。いつの間にかあの生ける幽霊は研究室へ入って、あの研究ノートを持っていったものらしい。
老浮浪者は、また一つうなずいたが、そのあとで大口をぱくぱく開いて、声なき笑いをしてみせた。
「じゃあもう一つ。あの若い洋装の女はどこからあの部屋をでていったですか」
老浮浪者は大きく首をかしげたが、それには答えようともせず、すたすたと歩きだした。川北先生があわてて老浮浪者の袖をとってとどめた。