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Japanische Klassiker mit Furigana

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かいそうろく

回想録

高村 光太郎

Lesen Sie 回想録 (かいそうろく) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.774 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

石川先生の家は谷中の真島町だったが、そのすぐ隣が後藤貞行先生の家である。二人の先生は、どういうものか何となしに仲が悪く、年中睨合をしていた。後藤先生は元から馬の先生だから二頭ほど馬を持っていて、よく馬の説明をきかせてくれたし、指ヶ谷町の傍にある昔の名高い馬の先生のところに連れていって、馬に乗る稽古をするように私にしてくれた。後藤先生の彫る馬は、大抵身長が一尺か一尺五寸位なもので、それに油絵具で着色して無数に拵えた。彫刻自身としてはとるに足らぬものだけれど、標準的な理想的な馬の形を彫るので、後藤さんの馬を持っているとそういう馬が生れるという迷信のようなものが行われて、東北の馬産地で盛んに後藤先生の馬を欲しがった。馬の活動している様なところは拵えず、静止している標本的な馬の実際の雛型を拵えようというつもりだったらしい。今でも東北に行ったら、その作品は沢山遺っているに違いない。後藤先生は又、当時としては珍しい写真の技術の出来る人で、非常に重宝がられた。ある日、写真に使うアンモニヤの壜の口の固いのを無理に抜いた時、沸騰して顔に吹付け、それで片目を失った。