Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かいそうろく

回想録

高村 光太郎

Lesen Sie 回想録 (かいそうろく) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.774 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

父の身代りになるようにと不動様に願をかけた。それで、不図病気になって、今で言う肺炎になって亡くなる時も、本当に父の代りに死ぬのだと思って喜んで死んだ。死ぬ八日前まで日記をつけているが、最後の所は震えて点々になって読めない。その日記が二冊残っているが、それを見ると全く大人で、子供とは言えない気がする。写真も残っているが、面ざしがどこか樋口一葉に似ている。

父は姉の死によって衝撃をうけ、非常に落胆して悲しみ、その家に居るのにさえ堪えられなくなった。偶々林町に知り人の持家があって、ここに越して来たのである。秋だったから団子坂には菊人形があり、その人込の中を引越の車をひっぱって来たことを覚えている。

私が父の彫刻の仕事を承けついでやるということは、誰も口に出して言わないうちに決って了っていたことだ。跡とりは父の職を承けつぐことは決っていたことで、別に選択の何のと言うことはなく、自然にやるようになったのである。小学校の七つか八つ位の時、父から切出、丸刀、間透などを三本ばかり貰った。其の時に初めて父は私を彫刻の方へ導いて行くということをはっきり見せた訳だ。私は小刀を貰って彫刻家になったような気がして、何でも拵えてみたかった。