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Japanische Klassiker mit Furigana

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もぐらとらくばん

土鼠と落盤

黒島 伝治

Lesen Sie 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.823 Zeichen · 36 Bildschirme

Aozora Bunko

彼も仲間の名を呼んだ。湿っぽい空気にまじって、血の臭いが鼻に来た。女の柔かい肉体が血と、酸っぱい臭いを発しつゝころがっていた。

井村は恐る/\そこらへんを、四ツン這いになってさぐりまわった。

……暫らくして、カンテラと、慌てた人声が背後に近づいて来た。ほかの坑道にいた坑夫達がドエライ震動と、轟音にびっくりして馳せつけたのだ。彼等も蒼白になっていた。

井村は新しいカンテラでホッとよみがえった気がした。今まで、鉱車や、坑木に蹲った坑夫や、女達や、その食い終った空の弁当箱などがあったその上へ、いっぱいに、新しい、うず高い岩石の山が落ちかゝっていた。そして、多くの人間は見えなかった。山のような岩の大塊のかげに、蒼白にぶるぶる顫えている幽霊のような顔が二ツ三ツちらちらしたばかりだ。「これだけしか生き残らなかったんだ!」突嗟に井村は思った。大塊の奥の見えない坑道からふるえる声がきこえて来た。それが土田だった。そこは、出て来る道をすっかり山にふさがれていた。カンテラの光は、そこへ届かなかった。

「おや、脚がちぎれとるぞ。」若い一人がとび上った。

生ぐさい血に染った土が薄気味悪く足に触れた。