Japanische Klassiker mit Furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Lesen Sie 地上 (ちじょう) von 島田 清次郎 (しまだせいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 175.250 Zeichen · 350 Bildschirme
生んだものはまだいいが、生まれて来た己は災難じゃないかね」兄は暫く眼を閉じていたが、言い出した平常の苦悶は最後まで言い切らなければ止められなかった。
「親爺の容太郎は己にもの一言いわないようにしている。自分で自分が嫌になる位の己自身の有様だから、親爺の身になってみれば無理もないかもしれないが、あの冷淡な、早く死んでくれというような眼差しはどうだろう。何んでそんなに見づらい己を何故生ましたのだ。己は親爺にいつ生んでくれと頼んだことがあるか。勝手に生んだのではないか。生まれて来た己に何の罪がある。しかも一切の罪業の罰が己に呪いとなって積み重なってくるのだから苦しいじゃないか――え、お光、お前はどう思う。お里は己達にとって生みの母でないことは確かだが、一体己達には何にあたるだろう。親爺にとっても従妹、己にとっても従妹、己の生母は親爺の叔母、己には母でそうして大伯母――どうしたことだ! こりかたまった罪業の罰が己の不幸な生涯に負いかかって来ているのを感じるのが己の誤りだろうか」
お光は兄の蒼ぶくれの顔に辛そうな涙のにじんで来るのを見た。お光は兄を慰めたくてならなかった。