Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちじょう

地上

島田 清次郎

Lesen Sie 地上 (ちじょう) von 島田 清次郎 (しまだせいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 175.250 Zeichen · 350 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は一人の母を養うために自分の天才の成長を犠牲にしなくてはならない貧しい一人の青年であった。

「ロダンやミケルアンジェロやを思えば少しは心も安まろうという人もある。しかしあべこべです。安まるどころか威圧されて悲しくなって物も言う元気もなくなります。その日その日の生活さえ十分に果し得ない僕です――それにしても金が欲しい……」

その瀬村とその山崎がはいって来た。

「御一緒に?」

「いいえ、今、そこのドアのところで会ったのです」

「山崎さん、瀬村さん、今夜は飲み明かしましょう。こんな寒い寂しい夜です。どうしてじっとしておられましょう。哲人とやらは超然とすましておれるそうです。そんな哲人はそれは大方木像でしょう。さ、飲み明かしましょう」

静子が差し出す盃に豊潤な黄金色の液を注いだ。愛らしい桃割に結った少女が二人、一群の中にまじって酌をするのを忘れなかった。山崎が平一郎を見つけた。

「静子さん、この坊っちゃんは誰だあね」

「大河という方ですよ」

「大河? 中学へ出ているのじゃないかい。――ううん、それじゃこの間停学になったことがないかい。女学校の人に手紙をあげたというので」