Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちじょう
地上
島田 清次郎
Lesen Sie 地上 (ちじょう) von 島田 清次郎 (しまだせいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 175.250 Zeichen · 350 Bildschirme
何のあてどもなく田舎から出て来て行先に困った若い女、そうした女を再び浮かぶ望みのない深淵へ引きずり下すのみでなく、そうした深淵に生きる女達が、ふとした不注意から、思いがけぬ不意な熱情の迸りから、また自然の苛酷な皮肉から、主の知れない呪われた子を生み下すとき、その不幸な子供を若干の金で貰い受けて、そしてじり/\餓え死にさせるようなこともするらしかった。大抵の嬰児は結核か梅毒で死んでしまった。死なねば、乳もやらずに放って置けば消えるように萎びて死んでしまった。――お光が聞くまいと努めても話し声は聞えて来た。それは自分の無力を自覚している彼女にとって、どうかしてやりたいという同情がおきるだけ、それだけ辛いことであった。
「それあもう万事わたしの胸の中にありますよ、そういうことにぬかりはありやしません」
「え、そりゃぁ主婦さんのことですから、それでもまあ念には念を入れろっていいますからな。えっ、はっはっはっは」
お光は食器を洗い終えてしまってからも、悲しい忌わしい人達に会うのに気を兼ねて、暫く土間の薄暗がりに立っていたが、話し声はぴったりしなくなった。彼女は思い切って茶の間に出た。