Japanische Klassiker mit Furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Lesen Sie 地上 (ちじょう) von 島田 清次郎 (しまだせいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 175.250 Zeichen · 350 Bildschirme
しかも冬子の手から! 自分の同胞の夫(ああこの字に呪あれ)の妾から! 出来ない、出来ない!)
「小母さん、ほんとにそう決めて下さいまし。わたしに手柄をさせてやって下さいまし。平一郎さんだって可哀そうじゃございませんの。――それに大変失礼ですけれど、中学を出なさったあとまでも、しっかりしたおつもりもないのじゃありませんか。ね、平一郎さんのお世話をわたしにやらして下さいまし、お願いですの、小母さん」
(どうしたってお世話せずにおくものか)という決心が冬子に見えた。お光にはそれが(どうあったって汝の独り子を奪ってみせる!)と天野が宣言しているように見えた。
「平一郎に聞いてみましょう。冬子さん、そうより外にわたしも決心がつきません。もしあれが悦んで行くようでしたら、冬子さん、そうしたら、改めてお願いしますでしょう」とお光は言ってしまった。
(平一郎の運命は平一郎にまかそう)と彼女は思ったのだ。
平一郎への土産を残して、冬子は夕景に春風楼を去った。平一郎が夕飯に帰って来たときお光は平一郎に留守中に冬子が来ていったことを話した。平一郎は寂しい顔をして何も言わなかった。