Japanische Klassiker mit Furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Lesen Sie 地上 (ちじょう) von 島田 清次郎 (しまだせいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 175.250 Zeichen · 350 Bildschirme
そのことで、冬子があるたとえようのない不安に苦しめられはじめたのを平一郎は知った。冬子のこの不安を感じることは浅ましくてそして「気の毒」なことだった。そしてお芳やお玉が冬子に対して示す一種の同情と慰めは、平一郎には敵意より苦痛で屈辱だと感じられもした。
「どこかへお寄りになっていらっしゃるのじゃないでしょうか」
「そうね」と冬子は静かに答えた。そしてお芳に、「夜具は一揃い出ているはずだね」と言った。
「はい、出ております」
「今夜はなんですから平一郎さんを先きに休ませようかと思いますの。――お玉、お前さん二階へ床を敷いて下さらない?」
「その方がようございますわね」とお玉は答えて、茶の間の押入のようになっている襖をあけた。そこには二階への階段がついていた。平一郎は冬子の家の造作が何処までも秘密じみているのに「気の毒さ」をまた感じた。
(こうまでしなくては生きられないのか※(疑問符感嘆符、1-8-77))
「床をしきましてございます」
「そう、じゃ平一郎さん、今夜はゆっくり寝なさったらいいでしょう。明日の朝旦那様にお目にかかることにしてね」
「ええ、じゃおやすみなさい」