Japanische Klassiker mit Furigana
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ちじょう
地上
島田 清次郎
Lesen Sie 地上 (ちじょう) von 島田 清次郎 (しまだせいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 175.250 Zeichen · 350 Bildschirme
わたしには母さんはないのよ」
「ああ、そうでしたね、虎に食われてなくなりなすったそうでしたね!」
太陽が没してしまったとき、二人は丘を下りて野の道を街の方へ帰って来た。路で、平一郎が和歌子の封筒のことを想い出して、懐から出して「ひらいてみようかしら」と言ったとき、「いけません、平一郎さん、いけません」と封筒を開かせまいと努めたときの彼女のひや/\した髪の感触は忘られないものである。
「明日は返事をもって来ますよ」
「ええ、きっとですよ」
二人は坂をのぼりつめた十字街で別れた。平一郎はもっと言わねばならぬ重大なことを一つも言わなかったような気がした。それが何であったかを反省すると、まるで頭脳が空虚だった。それは「混沌たる充実の空虚」であった。
夜、彼は自分の机に書物を展いた上に水色の封筒をのせて、惜しい気のするのを思い切って、封を切った。
今日わたしは学校から帰って庭に出てあなたのことを考えていました。今日はどうしてか学校からの帰り道でお会いしなかったのが気が悪くて仕方がございませんでした。すると隣りの深井の坊っちゃんがわたしをよびなさったのです。
わたしは何もかも存じております。