Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちきゅうようさい

地球要塞

海野 十三

Lesen Sie 地球要塞 (ちきゅうようさい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.834 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

「おお、あぶない」

私は、そのとき、快速力で走っていた自動車が、エンジンを停め、ゆうゆうと頭をふって、地下道の壁に突進していくのを認めた。運転手も、マリ子と名のる女スパイとともに、毒瓦斯にやられてしまい、レバーやハンドルから、手を放してしまったのである。

私は、ぐにゃりと伸びた運転手の肩ごしに、手をのばして、ハンドルをぐっとつかんだ。

片手でハンドルを握ったのだ。

無理である。たいへん無理である。しかし私は、死にものぐるいで、ハンドルを左に切った。地下道の厚い壁はわが自動車めがけて、鋼鉄艦のごとく驀進してきたが、私が、力一ぱいハンドルを切ったため、壁は、ぐーッと右に流れた。

「おお、これで衝突をのがれたか……」

と思ったが、とたんに車体は、左に傾くと思う間もなく、呀っという間に、顛覆してしまった。

そのとき、自動車の硝子戸が、うまく壊れてくれなかったら、私はコップを鼻や口から外し、わが撒いた毒瓦斯により、自ら生命を縮めたかもしれない。コップを放すのが、窓硝子のこわれたよりも遅かったため、私の一命は、幸いに助かった。

それでも、しばらくは胸が灼けつくようで、とても気持がわるかった。