Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
安さんはまた笑い出した。
「太え野郎だ。誰が苛責た。年の若いものつらまえて。よしよしおれが今に敵を打ってやるから。その代り帰るんだぜ」
自分はこの時大変心丈夫になった。なおなお留まる気になった。あんな獰猛もこっちさえ強くなりゃちっとも恐ろしかないんだ、十把一束に罵倒するくらいの勇気がだんだん出てくるんだと思った。そこで安さんに敵は取ってくれないでも好いから、どうか帰さずに当分置いて貰えまいかと頼んだ。安さんは、あまりの馬鹿らしさに、気の毒そうな顔をして、呆れ返っていたが、
「それじゃ、いるさ。――何も頼むの頼まないのって、そりゃ君の勝手だあね。相談するがものはないや」
「でも、あなたが承知して下さらないと、いにくいですから」
「せっかくそう云うんなら、当分にするがいい。長くいちゃいけない」
自分は謹んで安さんの旨を領した。実際自分もその考えでいたんだから、これはけっして御交際の挨拶ではなかった。それからいろいろな話をしたがシキの中の述懐と大した変りはなかった。ただ安さんの兄さんが高等官になって長崎にいると云う事を聞いて、大いに感動した。安さんの身になっても、兄さんの身になっても、定めし苦しいだろうと思うにつけ、自分と自分の親と結びつけて考え出したら何となく悲しくなった。