Japanische Klassiker mit Furigana
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「だん」のかいたい
増補 美学的空間
中井 正一
Lesen Sie 増補 美学的空間 (「だん」のかいたい) von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.324 Zeichen · 44 Bildschirme
「壇」の解体
文壇、画壇、楽壇、歌壇、俳壇、乃至学壇、評壇等々、それはそれぞれ犯すべからざる神聖なるにわである。空間的な特殊ななわ張りである。その中に置かれることで、或種の安心と尊敬をむさぼることの出来る一つの聖域である。人々はその中に祭られんことをのみ希っている。
又別の考え方より見れば、動物が自らを保護せんために群れをなし、群れの一部分となることで或種の安心をもつこと、これが人間それ自身を他の動物より区別せしめ、また人間同士ではその中で各々の群れを構成して行くこととなる。恰も羊の群れが獅子の攻撃に対して方陣を布く様に、人々は各々の群に於てその角を揃える。
このことはその群つどいが、実はその角の方陣の中にもぐり込むことを意味するのであって、ひくい意味に於てそれは逃避でもある。
このことが、次の様な現象を伴う。
この角の方陣の中にもぐり込むまでは奮迅の勢をもって突進するけれど、その中にもぐっての後は、ホッとして静かに喘ぐ様なこととなる。
誰かが防いでくれるだろうところの角の方陣の中に誰もが肩で息をすることとなる。
あらゆる――「壇」の沈滞の一因は即ちそれである。