Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かべのめのかい

壁の眼の怪

江見 水蔭

Lesen Sie 壁の眼の怪 (かべのめのかい) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.253 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

「これは毒蛇の首」

その胴の方が拝石の横に有るのにも注意した。それから境内の青萱の一部が切り取られているにも心着いた。その青萱の中で争闘したらしい形跡の有るのも発見した。しかしどうしても直芳の行方は分らなかった。

「大炊殿、もしここで物争いでもして一人が逃げたとする。それを追うたとすれば、どちらへ向ったもので御座ろうな。足順と申そうか。まァ、それはその時の様子と、人の気の向きでは御座るけれど」

「左様に御座りまする。この境内から西南へ掛けてが、土地では熊取路と申しまして、路と申す程の路では御座りませぬが、人の行くようには成っておりまする。が、何分にも難所で御座りまするが、まァそちらへ向くのが足順のように思われまする」

「その先は何処かの里へ出られまするか」

「とても人里へは」

成裕しばらく考えていたが。

「とにかくこれを行く処まで行って見ると致そう」

一行に村人を加えて、大勢で進んで見た。

「あッ、こんな物が」

先を切っていた村の者の一人が叫んだ。見ると矢立が落ちていたのであった。云うまでもなく直芳のであった。

これで一同勇気が出て、かれこれ一里余りも分入った時に、また先頭の一人が叫んだ。