Japanische Klassiker mit Furigana
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よるのこうず
夜の構図
織田 作之助
Lesen Sie 夜の構図 (よるのこうず) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.068 Zeichen · 125 Bildschirme
だから伊都子があくまで反対していると、その男に合わす顔がない。無理矢理結婚させるつもりで伊都子を連れて上京した。男はわざと伊都子の部屋の前に自分の部屋を取った。伯父は伊都子にその部屋に遊びに行くように、すすめるらしかった。
「――私行ってやらなかったの。許嫁気取り、しょってるわ。でも結局は伯父さんへの義理で結婚しなければならないわ。あんな男に処女を与える気にならない。だからあなたに……」
処女を与えたと伊都子の言葉をきいて、信吉は唸った。
「――今朝の私の電話、伯父さんきいてましたの。先生って誰だってきくから、作家よと言ってやったら紹介してくれと言ってましたわ。見栄坊よ、伯父さん。『いつの間に知り合いになった』って驚いてましたわ。私、先生を伯父さんやあの男に見せびらかせてやりたいの」
そして伊都子は眼交して、
「――あそこに、あの男の向いにいるの、伯父さんよ。こっち見てるわ」
しかし、信吉は振り向かなかった。ただ伊都子の顔の雀斑を見ていた。何かそれは不幸のしみのようであった。
「あなたは御両親はないんでしょう?」
だろうと言ってみたり、でしょうと言ってみたり、信吉は伊都子にぶっきら棒な言い方と、丁寧な言い方の両方を使って来たが、今はもう二人が別れる半時間前だ。