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Japanische Klassiker mit Furigana

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よるのこうず

夜の構図

織田 作之助

Lesen Sie 夜の構図 (よるのこうず) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.068 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

自由を束縛されるのはいやだから。戦争なんかはじまったおかげで、四方八方束縛されてるのにこれ以上結婚で束縛されるのはいやだよ」

「恋愛は……?」

「目下していない。君は……?」

「…………」

「なんだか、していそうだね」

莫迦々々しい質問だと、信吉はわれながらあいそが尽きた。

「するなら、どんな恋愛をしたいの?」

「そうね。プラトニックラヴね」

女って皆そう言うと思った。はかない女の郷愁だろう。

「プラトニックだけで済むかね」

「ベーゼ……? ベーゼなんてくだらないと思うわ。そう思わない……?」

「まア、そうだね」

と、信吉はしぶしぶ相槌を打った。つまらぬ相槌を打ったものだ。これじゃ、飛び掛って、接吻も出来やしない。

話が途切れた。

信吉はじっと冴子の顔を見つめていた。

冴子は壁に掛った絵を見上げて、にやにやしていた。

「どうして、にやついてるの……?」

「どうして……?」

にこっと笑って、眼をパチパチさせた。

「――どうしてだか判らない。何だか笑いたくてたまらないの」

「照れてるんじゃない……?」

「そうよ。あたし、物凄い照れ症なのよ。――こりゃたまらない」

本当に噴き出してしまった。