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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆめのようなひるとばん

夢のような昼と晩

小川 未明

Lesen Sie 夢のような昼と晩 (ゆめのようなひるとばん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.487 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

「金魚やあ!」と、かすかに呼び声がしました。

たちまち、少年の注意は、そのほうへとられたのです。すべてを忘れて、しばらく熱心に耳をすましました。

「どこだろうな。」

しかし、それきり、その声は聞こえませんでした。少年は、じっとしていられなくなって、ついに、門の外へ出て、方々をながめたのです。

町の方へつづく道の上には、かげろうがたち、空の色はまぶしかった。しずかな真昼で、人通りもありませんでした。金魚売りのおじさんは、きっと、あっちの露路へまがったのだろう。そう思っていると、こっちへかけてくる子供がありました。

はじめ、その姿は小さかったのが、だんだん大きくなって、よくわかるようになると、手にブリキかんを持っていました。それは、隣家の武ちゃんでした。

「武ちゃん! 金魚を買ったの。」と、少年はそっちを向いて、大きな声でいいました。

武ちゃんは、ちょっと、道の上に立ちどまりました。そうして、手に持ったかんをのぞいているようすでした。

これを見た少年は、

「どうしたの、武ちゃん?」と、こんどは、そのそばへと走りました。ブリキかんの中には、一匹の金魚が、あおむけになって、ぱくぱく、口をやっていました。