Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆめのようなひるとばん
夢のような昼と晩
小川 未明
Lesen Sie 夢のような昼と晩 (ゆめのようなひるとばん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.487 Zeichen · 5 Bildschirme
「あまり飛んできたから、びっくりしたんだよ。たった一匹なの?」
「まるこの子だよ。尾の短いの二匹より、一匹でも、このほうがいいだろう。」
二人ののぞく頭のあいだから、太陽ものぞくように、光はかんの中へ射こんで、金魚のからだが、さんらんとして、真紅に金粉をちらすがごとくもえるのでした。
「きれいだなあ……。」と、少年は、感心しました。
「お家へいったら、大きな鉢へ入れてやろう。」
二人は、走らずに、急ぎ足となりました。
「どうして、こんなきれいな魚があるんだろうね。」
「ほんとうにふしぎだね。」
その日の晩は、またいいお月夜でありました。うす絹のような雲をわけて、まんまるの月が、まんまんたる緑色の大空へ浮かび出るのを、少年は、家の前に立ってながめていました。
いつも明るいのに、こよいにかぎって、ピアノのおねえさんの家の窓は、暗かったのでした。垣根のきわに植わっているみかんの木が、黒々として、夜風の渡るたび、月の光にちかちかと、葉がぬれるごとく見えました。
少年は、なんとなくもの足りなさを感じたとき、ぷんと鼻をうったにおいがあります。
「おや、お薬のかおりだ。」