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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆめじゅうや

夢十夜

夏目 漱石

Lesen Sie 夢十夜 (ゆめじゅうや) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.992 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

山門の前五六間の所には、大きな赤松があって、その幹が斜めに山門の甍を隠して、遠い青空まで伸びている。松の緑と朱塗の門が互いに照り合ってみごとに見える。その上松の位地が好い。門の左の端を眼障にならないように、斜に切って行って、上になるほど幅を広く屋根まで突出しているのが何となく古風である。鎌倉時代とも思われる。

ところが見ているものは、みんな自分と同じく、明治の人間である。その中でも車夫が一番多い。辻待をして退屈だから立っているに相違ない。

「大きなもんだなあ」と云っている。

「人間を拵えるよりもよっぽど骨が折れるだろう」とも云っている。

そうかと思うと、「へえ仁王だね。今でも仁王を彫るのかね。へえそうかね。私ゃまた仁王はみんな古いのばかりかと思ってた」と云った男がある。

「どうも強そうですね。なんだってえますぜ。昔から誰が強いって、仁王ほど強い人あ無いって云いますぜ。何でも日本武尊よりも強いんだってえからね」と話しかけた男もある。この男は尻を端折って、帽子を被らずにいた。よほど無教育な男と見える。

運慶は見物人の評判には委細頓着なく鑿と槌を動かしている。