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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆめじゅうや

夢十夜

夏目 漱石

Lesen Sie 夢十夜 (ゆめじゅうや) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.992 Zeichen · 33 Bildschirme

Aozora Bunko

その刀の入れ方がいかにも無遠慮であった。そうして少しも疑念を挾んでおらんように見えた。

「よくああ無造作に鑿を使って、思うような眉や鼻ができるものだな」と自分はあんまり感心したから独言のように言った。するとさっきの若い男が、

「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」と云った。

自分はこの時始めて彫刻とはそんなものかと思い出した。はたしてそうなら誰にでもできる事だと思い出した。それで急に自分も仁王が彫ってみたくなったから見物をやめてさっそく家へ帰った。

道具箱から鑿と金槌を持ち出して、裏へ出て見ると、せんだっての暴風で倒れた樫を、薪にするつもりで、木挽に挽かせた手頃な奴が、たくさん積んであった。

自分は一番大きいのを選んで、勢いよく彫り始めて見たが、不幸にして、仁王は見当らなかった。その次のにも運悪く掘り当てる事ができなかった。三番目のにも仁王はいなかった。自分は積んである薪を片っ端から彫って見たが、どれもこれも仁王を蔵しているのはなかった。