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Japanische Klassiker mit Furigana

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むゆうびょうしゃのし

夢遊病者の死

江戸川 乱歩

Lesen Sie 夢遊病者の死 (むゆうびょうしゃのし) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.121 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

まさか睡っているのではあるまい。彦太郎は妙に胸騒ぎを覚えながら、縁側にあった下駄をつっかけると、急いで籐椅子の側へ行って見た。――読者諸君、人間の不幸なんてどんな所にあるか分らないものだ。その時縁側には、二足の下駄があって、彼の穿いたのはその内の朴歯の日和下駄であったが、若しそうでなく、もう一つの桐の地下穿きの方を穿いていたなら、或はあんなことにならなくて済んだのかも知れないのだ。――

近づいて見ると、彦太郎の仰天したことは、父親はそこで死んでいたのである。両手を籐椅子の肘かけからダラリと垂らして、腰の所で二つに折れでもした様に身体を曲げて、頭と膝とが殆どくっ着かんばかりである。それ故、見まいとしても見えるのだが、その後頭部がひどい傷になっている、出血こそしていないけれど、いうまでもなくそれが致命傷に相違ない。

まるで作りつけの人形ででもある様に、じっとしている父親の奇妙な姿を、夏の朝の輝かしい日光が、はれがましく照していた。一匹の虻が鈍い羽音を立てて、死人の頭の上を飛び廻っていた。

彦太郎は、余り突然のことなので、悪夢でも見ているのではないかと、暫くはぼんやりそこに彳んでいたが、でも、夢であろう筈もないので、そこで、彼は庭つづきの伯爵邸の玄関へ駈けつけて、折から居合せた一人の書生に事の次第を告げたの