Japanische Klassiker mit Furigana
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おおとねのおおものつり
大利根の大物釣
石井 研堂
Lesen Sie 大利根の大物釣 (おおとねのおおものつり) von 石井 研堂 (いしいけんどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.600 Zeichen · 17 Bildschirme
』
漁『水押の上では、随分、気を揉んだろう。見てやりたかったね。どうしたろ。挙ったか知ら。』
船『挙ったそうでした。三歳が……。』
漁『運の好い時には、そういうことも有るんだね。』
船『全く運ものですよ。此間、お茶屋の旦那の引懸けたのなどは、引いては縦ち、引いては縦ち、幾ら痿やそうとしても、痿えないでしよう。やや暫くかかって漸く抄い上げて見ると、大きな塩鮭程なのでしょう。私が急いで雑巾を取るか取らないに、(顎の骨にて手を傷つけらるるを恐れ、鱸をおさえるには、皆雑巾を被せておさえる習いなり)ずとんと、風を切って一つ跳ねるが最後、苫を突きぬいて、川中へ飛び込んで仕舞ったです。全で落語家の咄しっても無いです。が、綸はまだ着いてましたので、旦那は急いで綸を執る、私は苫を解すで、又二度めの戦争が始まりましたが、どうかこうか抄い上げました。其時私は、思はず鱸の上に四ん這いになって、「今度は逃がすものか、跳ねるなら跳ねて見ろ」って、威張りましたよ。旦那が、後で、「お前が腹這いになった時の様子っては無かった。鱸と心中する積りだったのだろう」って、お笑いでしたが、あれらは、能くよく運の尽きた鱸でしたろう、不思議に鈎が外れないでましたもの。