Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいどうじしんすけのはんせい
大導寺信輔の半生
Lesen Sie 大導寺信輔の半生 (だいどうじしんすけのはんせい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.611 Zeichen · 26 Bildschirme
同時に又隣の女の子に乳を吸わせる叔母を憎んだ。この小事件は彼の記憶に重苦しい嫉妬ばかり残している。が、或はその外にも彼の Vita sexualis は当時にはじまっていたのかも知れない。………
信輔は壜詰めの牛乳の外に母の乳を知らぬことを恥じた。これは彼の秘密だった。誰にも決して知らせることの出来ぬ彼の一生の秘密だった。この秘密は又当時の彼には或迷信をも伴っていた。彼は只頭ばかり大きい、無気味なほど痩せた少年だった。のみならずはにかみ易い上にも、磨ぎ澄ました肉屋の庖丁にさえ動悸の高まる少年だった。その点は――殊にその点は伏見鳥羽の役に銃火をくぐった、日頃胆勇自慢の父とは似ても似つかぬのに違いなかった。彼は一体何歳からか、又どう言う論理からか、この父に似つかぬことを牛乳の為と確信していた。いや、体の弱いことをも牛乳の為と確信していた。若し牛乳の為とすれば、少しでも弱みを見せたが最後、彼の友だちは彼の秘密を看破してしまうのに違いなかった。彼はその為にどう言う時でも彼の友だちの挑戦に応じた。挑戦は勿論一つではなかった。或時はお竹倉の大溝を棹も使わずに飛ぶことだった。