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Japanische Klassiker mit Furigana

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あにきのようなこころもち

大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ

芥川 竜之介

Lesen Sie 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ (あにきのようなこころもち) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.007 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

菊池の理智的な心の持ち方は、こんな些事にも現われているように思う。

それから家庭の菊池は、いゝ良人でもあるし、いゝ父でもあるのみならず、いゝ隣人をも兼ねているようである。菊池の家へ行くと、近所の子供が大ぜい集まって、菊池夫婦や、菊池の子供と遊んでいることが度々ある。一度などは菊池の一家は留守で、近所の子供だけが二三人で留守番をしていたことがあった。こういう工合に、子供たちと仲がいゝのだから、その子供たちの親たちとも仲のいゝのは不思議はない。僕等の間では、今に菊池は町会議員に選挙されはしないかという噂さえある。

今まで話したような事柄から菊池には、菊池の境涯がちゃんと出来上がっているという気がする。そうして、その境涯は、可也僕には羨ましい境涯である。若し、多岐多端の現代に純一に近い生活を楽しんでいる作家があるとしたら、それは詠嘆的に自然や人生を眺めている一部の詩人的作家よりも、寧ろ、菊池なぞではないかと思う。