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Japanische Klassiker mit Furigana

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あにきのようなこころもち

大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ

芥川 竜之介

Lesen Sie 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ (あにきのようなこころもち) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.007 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

とあだ名した滝田君とは別人かと思うほど憔悴していた。が、僕や僕と一しょに行った室生犀生君に画帖などを示し、相変らず元気に話をした。

滝田君に最後に会ったのは今年の初夏、丁度ドラマ・リイグの見物日に新橋演舞場へ行った時である。小康を得た滝田君は三人のお嬢さんたちと見物に来ていた。僕はその顔を眺めた時、思わず「ずいぶんやせましたね」といった。この言葉はもちろん滝田君に不快を与えたのに違いなかった。滝田君は僕と一しょにいた佐佐木茂索君を顧みながら、「芥川さんよりも痩せていますか?」といった。

◇

滝田君の訃に接したのは、十月二十七日の夕刻である。僕は室生犀生君と一しょに滝田君の家へ悔みに行った。滝田君は庭に面した座敷に北を枕に横たわっていた。死顔は前に会った時より昔の滝田君に近いものだった。僕はそのことを奥さんに話した。「これは水気が来ておりますから、……綿を含ませたせいもあるのでございましょう。」――奥さんは僕にこういった。

滝田君についてはこの外に語りたいこともない訳ではない。しかし匆卒の間にも語ることの出来るのはこれだけである。