Japanische Klassiker mit Furigana
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Lesen Sie 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.606 Zeichen · 97 Bildschirme
「さあさあ太夫さん一踊り、ご苦労ながら一踊り……男達ならこの釜無の流れ来る水止めて見ろ……ヨイサッサ、ヨイサッサ」
大道芸人が唄い出し、鼬が立っておどりだした。
「おおトン公か、よく来てくれた」
「爺つあん」は嬉しそうにこう云うと、夜具の襟から顔を出した。「爺つあん」は酷く窶れていた。ほとんど死にかかっているのであった。
ここは金龍山瓦町の「爺つあん」の住居の寝間であった。
「どうだね「爺つあん」? 少しはいいかね?」
トン公は坐って覗き込んだ。
「有難えことには、可くねえよ」――「爺つあん」はこんな変なことを云った。
「おかしいじゃないか、え「爺つあん」? 可くもねえのに有難えなんて?」
すると「爺つあん」は寂しく笑い、
「うんにゃ、そうでねえ、そうでねえよ。俺らのような悪党が、磔刑にもならず、獄門にもならず、畳の上で死ねるかと思うと、こんな有難えことはねえ」
「へえ、なるほど、そんなものかねえ」トン公はどうやら感心したらしい。「だがね、「爺つあん」俺らにはね、お前が悪党とは思われないんだよ」
「ナーニ俺は大悪党だよ」
「でも「爺つあん」は貧乏人だと見ると、よく恵んでやるじゃないか」