Japanische Klassiker mit Furigana
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おおとりものせんにんつぼ
大捕物仙人壺
国枝 史郎
Lesen Sie 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.606 Zeichen · 97 Bildschirme
武道であれ遊芸であれ、人の世に必要があればこそ、産れもし繁栄も致すので、この世に用のないものなら、産れもせねば繁昌もしまい。せっかく栄えた遊芸道が、衰退に向うということは、それを愛する人々にとり、遺憾であるに相違ござらぬ。……がそれはともかくとして、たとえ偶然であろうとも、我らが集会へ突然参られ、一切の秘密を知ったからは、お気の毒ながら安穏に、お帰しすることは出来ませんでな」
さも笑止だというように、こう云うとその浪士は微笑した。
どうせ無事ではあるまいと、ひそかに覚悟はしていたものの、いよいよこのように明かされてみれば、義哉としても恐ろしかった。彼は下俯向き、黙って唇を噛みしめた。
「しかし貴殿はたった一人、それに反して我らは十人、一度にかかっては後の人に、卑怯の譏りを受けるでござろう。そこで一人ずつの真剣勝負、最初に拙者がお相手致す、お立合い下さることなりますまいかな」
言葉は丁寧ではあったけれど、語韻に云われぬ殺気があって、義哉の心をおびやかした。
「その立合いなら無駄でござる」やがて義哉は冷やかに云った。
「ほほう、それは何故でござるな?」
「なぜと申して、立ち合ったが最後、負けるに相違ござらぬからな」