Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
まず脈々として遠く寄せて来る大洋の波ですな、あれが生けるものの本体で、突出する岬と、乱立する岩に当って波がくだけると怒ります……波濤の怒りは、この世に見る最も壮観なるものの一つですね。堂々として、前路における何物をも眼中に置かずに押しかけて来るところが壮観です。来って物に当ると怒って吼えます、そうして、たとい乱離骨灰に崩れても、崩れるその事が壮観たることを失いませぬ。忿怒上部の諸天は、怒りのうちに威相と慈愛とを失わないものですが、波濤の怒りはそれに似ていますな、われわれに壮観を与えて威嚇を弄さない、戦闘を教えても執念を残さない。巨人の心胸は、さながら怒濤そのもののようです」
田山白雲はこういって、幾枚も幾枚ものうち、波の怒れる部分だけを取って、駒井の前に積みました。とても筆では間に合わない……といった心持に迫られながら……
駒井は与えられた絵をいちいち取って、仔細にながめていると、白雲は言葉をついで、
「しかし、海を怒るものとばかり思ってはいけません、歌うものです、泣くものです、笑うものです、また戯るるものです……これを御覧下さい」
と言って白雲は、別に一枚を取って駒井の前にのべながら、