Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「それで、そういう人と見ると、わたしはなんだか、自分の味方を見つけでもしたように、無性にたのもしくなってしまって……なんでもかでも、すっかりぶちまけて、その人にやってしまいたいような気になるのですね、おかしいでしょう」
道はようやく沼を離れてしまって、林の中深く入って行くようです。
「先生、わたしにばかり白状させてしまっては罪ですよ、懺悔話をお聞かせください、ぜひ、どうぞ」
度胸がおちついたとはいうものの、手ごたえがないので、不安が不安を追っかけるように、後家さんは竜之助に促しました。
けれども、何としてか、竜之助は答えることなしに、少し歩みを早めて、ずんずんと後家さんより先に立って木立の中深く進んで行くものですから、後家さんは、肪ぎった大きな身体をそれに引きずられるように、追いすがるように歩いて、
「あんまり奥へおいでになってはいけません……お池の方へ戻りましょうよ」
その時、沼のあなたに当って、谺を返す一つの呼び声がありました、
「お内儀さん――お内儀さん、どちらへおいでになりました」
それは林を隔て、沼を隔てて呼ぶ浅吉の声にまぎれもありません。
この声を聞くと後家さんが、いまいましそうな、また、いつになく怖ろしそうな顔になって、声のする方へ向き直ったけれども、そちらへ足をめぐらそうとはしません。