Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
猟師は手首の負傷を撫でて、すんでのことに熊の口から助かって、命からがら逃げて来た記念を見せる。鉄砲を持たないこの辺の猟師は、熊を見つけると充分に引寄せて、のしかかって来る奴を下から槍で胸か腹を突く、突っ込んだ瞬間に逃げる――そのあとで熊は突かれた槍を敵と思い込んで、抜くという知恵がなく、かえって自分で抉って、自分で死ぬという。
熊の襲来で、万葉集の講義が一段落となりました。
そうしてこの猟師の報告によって、件の熊の運命について、おのおのその見るところを語りはじめました。ある者は、熊というものは到底、刺された槍を抜き取るだけの知恵のあるものではない。浅かれ、深かれ、槍を立てた以上は、自分で抉って、自分で傷を深くするだけの器量しかないのだから、これは当然どこかに倒れているに相違ないと言う。
ある者はまた、それも程度問題で、突き方が非常に浅ければ振りもぎってしまうし、木の根や岩角に当って、おのずから抜け去ることもあるのだから、無事に逃げ去ってしまったろうという。
どっちにしても、もう少しその運命を見届けて来なかった猟師に落度がある――という結論になって、猟師が苦笑いする。