Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
池田良斎はそれを聞いて、
「とにかく、熊の下腹まで行って槍を突き上げるとは非常な冒険だ、へたに運命を見届けているより、獲物は外れても、逃げて帰ったのが何よりだ」
と言いましたけれども、猟師は、なかなか諦めきれないらしい。
宿の留守居連中も集まって来て、諦められない猟師を、いっそう諦められないものにする――というのは、熊一頭を得れば一冬は楽に過せる、山に住む人の余得として、これより大きいのはない、それを取外した猟師のために、やれやれ気の毒なことをしたと悔みを言うものですから、猟師がいよいよ諦めきれなくなりました。
「ちぇッ、もしかすると、そこいらに斃れていやがるか知れねえ、もう一ぺん出直してみよう」
この連中にとっては、自分たちの生命の危険よりは、熊一頭が惜しいように見える。猟師は、そこでふたたび錆槍をかつぎ出しました。こうなると力をつけた連中も気を揃えて、それに加勢をすることになると、最初には、たしなめた池田良斎すらが、この機会にその熊狩見物を面白いことにして、同行をすることになると、万葉集の講演が、そのままお雪ちゃんだけを残して、熊狩隊に変ってしまいました。