Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
こいつ一人を袋だたきにして、海の中へたたき込むには、何の雑作もないと思ったから、多少、事を分けるはずの貸元も、中盆も、気が荒くなって、
「何がどうしたんだって――人の楽しみにケチをつける奴は殴っちまえ」
「殴っちまえ」
風雲実に急です。駒井もこうなっては引込めない……かえすがえすも、米友ならば面白いが、駒井では痛ましい。
その時、帆柱のかげからムックリとはね起きた六尺ゆたかの壮漢、
「こいつら、ふざけやがって……」
盆ゴザも、場銭も、火鉢も、煙草も、手あたり次第に取って海へ投げ込む大荒れの勇者が現われました。
七
これほどの勇者が、今までどこに隠れていたか、駒井も気がつかなかったが、乗組みの者、誰も気がついていなかったようです。
不意に飛び出したこの六尺豊かの壮漢が、痛快というよりは乱暴極まる荒れ方をして、あっというまもなく、賭場を根柢から覆えしてしまいました。
さしもの遊民どもが手出しができないのみならず、あいた口がふさがらないのは、その荒れっぷりの乱暴と迅速とのみならず、六尺豊かの髯面の大男の、威勢そのものに呑まれてしまったからです。