Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
といってこの六尺豊かの髯面の大男、そのものの人体がまた甚だ疑問で、相手を向うに廻して荒れていなければ、これが無頼漢の仲間の兄貴株であろうと見るに相違ない。そうでなければ、船頭仲間の持余し者と見たであろう。しかし、よく見ると、無頼漢でもなければ、船頭仲間の持余し者でもない、れっきとしたこの乗合船のお客様の一人で、身なりこそ無頼漢まがいの粗野な風采をしているが、寝ていたところをよくごらんなさい、両刀が置きっぱなしにしてあるのです。しかもその長い方の刀は、人の目をおどろかすほどすぐれて長いものです。
それですから、さしもの遊民どもも、一層おそれをなしました。
「人の安眠を妨害する奴等、船底へ引込んで神妙にしとれ」
中盆と壺振の二人の襟首をひっぱって、船底の方へ投げ込んでしまったのは、あながち怪力というわけではない、呑まれてしまった遊民どもが、自由自在になっているのです。
そこで、さしも全権を振っていたこの連中が、一時に閉塞して、ことごとく船の底へ下積みにされてしまいました。
船中の者も、この勇者を欽仰することは一方ではありません。
その勇気といい、筋骨といい、身に帯びたすばらしい長短の刀といい、天下無敵の兵法の達者、誰が見ても疑う余地はありません。