Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
「小判二枚!」
勘八は、これはニセ物ではないか、あるいは時間がたてば木の葉に変ってしまうのではないかとさえ疑いました。勘八にとっては臍の緒切って以来、少なくとも黄金二枚を手にしたことは初めてでありますから、一時は疑ってみましたが、正真のものであることを信じてみると、うれしくてたまりません。
こうなった以上は、何も命がけで猪を追い廻している必要はないと考えましたから、勘八は小屋をほどよく始末して、鉄砲をさげてさとへ帰って、とうぶん骨休めをすることにきめました。
帰る途中、谷間の小流れのところへ来て見ると、何か落ちている。
近づいて見ると意外にも、それは角が生えて青隈の入った木彫の面、俗に般若の面と称するものでしたから、手に取り上げて勘八はおどろきました。思いがけないところに、思いがけないものが落ちていた。しかし、子供へのみやげには何よりだと、手に取り上げて見ると、ゾッとするほどのものすごさを感じました。
これは作のいいせいだ――と勘八もなんとなくそう思って、つくづくながめると、いよいよすごくなってくるので、これはトテモ子供のおもちゃには向かないわいと思いました。